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そんな想いを募らせていた時、実家に赴いて知ったのが、弟が持っている青年漫画だった。
心から望んで読んだものではないが、嫌なことも時間も忘れて膨大な冊数の完結作品を読了した時の達成感といったらもう。
甘い恋だ愛だとうっとりするものはないけれど、逆に爽快感を持てる。すっきり前向きになったところで、いざ出勤、出陣だ。
つまり、仕事をしているいまの自分に非常にフィットするものを青年漫画は持っているのだろう。
ここ半年は実家に帰れば、弟の部屋から漫画を借りて読みあさる日々が続いた。
しかし困ったことが起きた。
弟の本棚にある所蔵本を全読破、制覇してしまったのだ。
だったらこれから自分で探して選ぶか――と思いたいところだが、そんなのめんどくさい。
目の前にとにかく揃っているから、いろいろな先入観なしに読み始めるから、新鮮な気持ちで楽しめていたのだから。
これはなんとかせねばと、弟に電話をする。
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