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「いつ結婚するの。式もするんでしょ」
「いや、互いに再婚なんだ。彼女もバツイチで、そんで……俺、小学一年生のパパになるんだわ」
「えーーーー!!!? 吾郎君がパパ!!」
なんと、子連れ結婚ということらしい。
なのにもうデレデレしている顔なもんだから、ああ彼も突然できた息子がかわいいんだなと、真広も微笑ましく嬉しくなってくる。
「というわけで。家族のみの食事会だけなんだ」
「パパなんだ……、想像できないよ」
「あはは。休日は、モエレ沼公園とか滝野のすずらん公園とか、子連れが多いところばっかり遊びにいってるんだ。そういう意味でも……、出張が多い仕事はセーブしていた」
子供と馴染むことを優先するためにも催事のバイヤーを断っていたんだと、真広も理解できた。
「俺自身のやりたいこともあるけどさ。自信をなくしていた俺を支えてくれた家族ができて、それも大事だなと思ったんだよ」
「……聞いていいかな……」
「皆まで聞くな。そっちは断然、解決しているから」
つまり。新しい奥さんのおかげで『ED』から正常な男に回復していると、真広も悟った。
「よかった。なんか、思い詰めていたもんね」
「奥さんに怒られました。元カノにSOSしちゃったこと」
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