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おなじことを感じてくれて、真広も嬉しく思う。
「ありがとう。いただきます。彼、私が百貨店から持って帰ってくるもの、楽しみにしているの。きっとこれも喜ぶから」
「へえ。お姉さんの職場に合わせて背伸びとかしてねえ? あのスーツ、オーダーだろ」
「うーん。堅実な消防員だから、生活のちょっとした彩り程度だよ。精神的にも肉体的にも過酷な仕事だから、非日常に触れたくなるみたいね」
「そっか。応援したくなるよ、そういう男は。ま、俺は元カレで、気を遣わせちゃうよな」
吾郎がちょっと寂しそうに笑った。
真広はそれでも、ここで駿の魅力を目の当たりにして嬉しくなる。
駿はこうして人を安心させて惹きつけるなにかがあるのだ。凄く好かれる。そして拒まない。
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