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「でも。彼も吾郎君が声をかけてくれたら嬉しそうに報告してくれるよ。おいしいものを教えてもらったら、それもまた嬉しそうで。元カレとはもう感じていないんじゃないかな。デパートの人大好きで、紳士服から来た外商の後輩と凄く親しい仲になったくらいだもの。きっとそういう華やかさに触れるだけで、心がほぐれるのよ。私たち……そういう仕事なんだなって。彼がデパートをそう欲してくれると、心改まるよ」
なんて。うっかり駿のことを熱く語っていた自分を知り、真広は頬を熱くした。
でも。吾郎ももう、優しい眼差しで微笑み、耳を傾けてくれている。
「だったら。うちの奥さんも、真広のことは元カノというより戦友同期だと思ってくれているから、今度、一緒にファミリー食事会でもしようぜ。うちの息子、レスキュー隊、大好きだからさ」
「わー、わかる! うちの甥っ子もそうなんだよね。もう伯父ちゃんになる人がレスキュー隊員だと知ったら大好きになってくれて『しゅんちゃん、いつくるの』って、最近うるさいんだって真人が教えてくれたよ。だから、ちびっ子にかっこいいと言われるのも元気の素になるみたいだよ。うん、彼に聞いておく。消防署とか車両の見学ならさせてくれるよきっと」
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