32.愛の行方も気にしなくていい

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「真広、明日休みだろ」 「うん。駿君も週休非番の三連休の休暇だよね」  そこでふたりは言葉を一緒に止め、そっと目線を合わせた。 「ひさびさに、行っちゃう? ゆったりホテルですごす夜」 「いいね。というか、朝から俺は狙ってた。ホテルでじっくりゆっくり真広と愛しあいたいな~って」 「うふふ。私も。またもや、ボディケアショップに『リサーチ』と称して覗きに行って、自分の買い物いっぱいしちゃいまして。バスソルトなどなどゲットいたしました。とろとろのボディミルク見つけたの~。駿君にぬりたくってもらおうと思って」 「うわ、俺よりエロいこと企んでいたんだな。だったらキスぐらい恥ずかしくないだろ」 「見える見えないの問題でしょっ」  なんて言い返したら、また黙らせるが如く、駿がキスをして塞いできた。でもやっぱり一瞬。 「ゆっくり……、愛しあおう」 「うん……、もういますぐ、行きたい」  一瞬のキスがもう一回。  ああ、もうダメだ。この男に愛されることを考えただけで、いまの真広は自分がとろとろ状態……。  やっと一緒に歩き出す。約束の時間に間に合うように、大通公園から札幌時計台へと一緒に歩く。
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