32.愛の行方も気にしなくていい

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 でも。確かにそうなのだ。駿はすごく上手くなった。女のカラダの扱いが。自信がなかった分、カラダの関係だと割り切っていた分、真広のカラダに真摯に向かってくれたのは確か。いまとなっては、最初のキスから、肌の愛撫から、真広が感じるところも、ひとつになった時にしてほしいことも、全部全部、彼がやってくれる。こんなテクニック覚えられたら、他の女には絶対に興味を持って欲しくない、これは女は一発で落ちるセックスを知ってる!! と、心配になってしまうこともある。  新居は、彼の希望どおりに、漫画がたくさん保管できる大収納の本棚を入れた部屋をつくり、リビングは真広がそれまで住んでいた部屋とおなじように整え、駿お気に入りのベンチ椅子がある。ベッドルームもふたりで意見一致『ベッドは(エッチも)快適なものにしてケチらない』と、家具店を何軒も『真剣』にみてまわった。ふたりお気に入りのベッドになった。  そこで、じっくりと愛しあうひとときは極上だった。  ふたりで積み重ねてきた、誰ともできない、ふたりだけのセックス。愛し方。  今夜も、宵闇に紛れて、ふたりきり。熱い肌と皮膚を重ねて、深く繋がって、男の、女の、カラダを()む。
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