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くたくたになって、最後の気怠いキスを終えて、一緒に眠りにつくまで。延々と。
「いや、ほんと。真面目な話、真広がぜんぶ取り戻してくれたと思っている。だから俺、これから真広の世界を守っていくよ」
「それは……、私もだよ。一人の男性に一生懸命になる力をくれたんだよ。駿君は……。私も、消防官の妻として、駿君を支えていくよ」
「俺たち、最初は恋はいらないと言っていたのにな」
「あ、でも、私たちに恋は必要なかったのかも」
駿がきょとんとした。そして、納得いかないようなむすっとした顔になる。
「セフレから卒業して恋人になっただろ」
「違う違う。よく思い出して。恋人になろうと言ってくれたその数分後に、俺は愛妻家になって永遠に愛する。って、一気に愛の告白してきたじゃない」
「だってさ。愛していたんだもんな。もう恋なんていいよ。真広はどうだったんだよ」
「え、……愛していると自覚したから、セフレ解消したんだよ。ほんと、大好き。駿のこと、愛してる」
今度はもの凄く感動したのか、彼の潤んだ目がそこにある。
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