6.恋はめんどくさい

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「母は本気で『まひろ』とつけるつもりで、『真』と『広』を選んだのに、なぜか周りから『まさひろ』と読まれて、そんな読み方をする周りがおかしいって怒っていたらしいのよね。けっきょく、母が真っ直ぐ広い子って決めていたのを押し切って、この名前に。真人は弟だから一文字揃えて真人になったんだけど、俺って、母さんが気に入っていた真っ直ぐの『真』に人をつけただけじゃんってよく文句言ってる」  彼もなにか思い出したのか、持っていたスプーンを離して真広に続く。 「それも真人が言ってました。なので、どんなお姉さんなのかなといつも、余計に気になったりはしていましたね」 「当時もショートカットだったかな……。あれ、真人とおなじ高校だったということは、私とも一緒の高校だったてことだよね。年の差二学年だったら、一年と三年の時におなじ在校生だったはず」 「はい。何度か、お姉さんとご実家で挨拶したことありますよ。その他大勢の中にいましたけど」 「え、そうなの!? じゃあ、初対面じゃなかったってことじゃない」
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