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なんとなく気兼ねのない感覚があると思ったら、実は彼とは初めての対面ではなく、彼としては面識があったからだとわかり真広は驚く。
「それもあるから安心して会いに来たのもありますよ。真人もです。おなじ野球部でしたから、姉に会いに行かせるのに迷わなかったのもそういうことだと思います」
「え、ポジションどこだったの!?」
「俺は、ライトですね。でも補欠。だから目立たなかったかと」
「もしや……、真人と……補欠……」
「補欠仲間でした。あはは。だから野球はとっとと諦めて、消防の道を選んだんです」
そういえば『俺たち万年補欠チーム』と和気藹々と五人ぐらいで仲良くしている男子が、うちに遊びにきていたと思い出した。
「でも、レスキュー隊員になるのって大変なんでしょう」
「それはもう……。ですけれど、今度は補欠は嫌なんで、頑張りました。憧れでしたからね」
「わー、レスキュー服とか制服姿、見てみたいかもー」
「そんな機会があれば、画像送信します」
いや、最初の身分証明と称していた自撮りのオレンジなレスキュー隊員姿も爽やかだったと思い返す。
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