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「そんな言い方しても、お姉さんもおなじでは。けっきょくは相手に負担になるくらいなら一人でいることを自分から選んでいる。男に気遣うよりも、お客様に対して精神を費やしたい道を選んでいる。俺とは違うけれど、人の幸せな時間のお手伝いをすることに誠実なのでしょう」
いやいや、そんなたいそうなものじゃない――と笑い飛ばそうとしたら、奥の席からなにかが聞こえてきた。
『仕事の相棒って男性だって言っていたじゃない』
『このまえまで男性だったよ。一年の研修期間を終えて、本格的に訪問バディとして配置されただけだから』
『だったら、そういえばいいじゃないの。それとも言えないなにかがあったの?』
『おまえがそうして、いちいち仕事場の異性に敏感になるからだろ』
あれ……。なんか仲直りどころか、真広がいたせいで拗れているようだった。
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