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10.期限付きセフレ契約
ふと目が覚めると、まだ彼と入ったベッドがある部屋で、暗いままだった。
寝返りをうつと、彼は枕を背に真広のすぐ隣で座っている状態で、暗闇の中、ひっそりとスマートフォンを眺めているところだった。
「あ、目が覚めましたか」
彼も自分も裸のまま。ブランケットを身体に巻いたままの状態で起き上がり、真広も枕に背を持たれ、彼の隣に寄り添う。
「寝ちゃったんだ、私」
気怠くかんじる身体が、今夜はとても心地がよい。そのまま力尽きて眠ったようだった。
「俺も少しうとうとしちゃいましたよ。でも終電に間に合わなかったですね。その、まだ真っ最中の時に過ぎちゃったみたいで……。真広さんが眠った時にはもう、そういう時間で――。だから、そのままにしておきました」
終電の時間にはまだむつみ合っている途中だったと聞いて、真広は密かに頬を熱くする。
恥ずかしいとかではなく、無我夢中になっていた自分を思い返したからだ。
感想なんてひとつしかない
『すごくよかった。大満足』である。
ちらっとすぐ隣にいる彼を見ると、あの逞しい筋肉質な胸が露わになったまま。
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