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さすがに少し恥じらって伝えていた。
なのに、目の前の彼は非常に驚いた顔で真広を見ている。
「ほんとですか」
「うん……。欲しすぎて、激しくしちゃったの、私のほうだったかもとか……、思ってたし……」
どうせこれから先、続くか続かないかわからなくてもいい関係だもの――と、自分も大胆に彼にむしゃぶりついていたんじゃ……とさえ思っている。
「真広さん!」
「うわっ」
すぐそばに座っていた彼が、ブランケットにくるまっている真広に真っ正面から抱きついてきた。
「うー、よかった、俺も……」
泣きそうな声で彼が『安心したー』と気の抜けた声を漏らし、真広をきつく抱きしめている。
彼の肩先で、真広もそっと微笑む。
彼は彼で気にしていることがあって、今日は女性と抱きあうことで少し気が楽になったようだった。
そっと彼を抱き返したときに、こういう彼はなんか、かわいいと思ってしまったのだ。
「俺、真広さんにだめって言われたら、もうしばらくはセックスすら怯えて避けていたかも」
「なんかお役に立てたようで、いえいえ、私のために身体を投げ出してくれてありがとう――っていうの、こっちか」
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