7833人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺が身体を投げ出して……?」
年下の男が、エッチしたい年上女性に身体を投げ出した様子を思い浮かべる。
「なんですか、俺、お姉さんに喰われる男みたいじゃないですか」
「実際に……。そうだったような……」
駿の視線が、真広の口元に注がれる。そのくちびるで俺にしたこと――を思い出しているようだった。
「もしかして、お姉さんも……、投げ出すような気持ちだった?」
そのくちびるに、彼がそっとキスをする。
ゆっくり愛してくれる彼のくちびるに、真広もそっと応える。
「うん、これで最後かもみたいな気持ちでしたの……だから」
自分も思うままに恥じらいを捨ててしたことばかり。
なんでだろう。恋人とはそれができなくて。そうでない相手なら、嫌われてもいいから大胆になれるってどうしてなんだろう。
そう思いながら、また離れなくなったキスを繰り返す。
しばらくして、鼻先と鼻先が触れ合う距離でそっと見つめ合ってくちびるがやっと離れた。
駿がもとの位置へと座り直した。
最初のコメントを投稿しよう!