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「では……って、急にこんな話になってドライすぎるかもしれないんですけど。これからも十冊入れ替えで会うときに、セックスをするかしないかを決めるってどうですか」
定期的に会う間隔を、彼がそう示してきた。
「いいよ。そうしよう。でも互いの仕事と体調が第一。溺れすぎない。足りないと怒らない。うまく噛み合わなくなった時点で、この関係は解消」
「もし途中で破綻したら……俺の漫画どうします」
「もったいないけど。恋人ではなくても、男と女で身体の関係を持つ以上、一度こじれたら、何もかも精算するのがいいと思う」
「そうですね……。その時は、なるべくお姉さんに顔を合わせない、弟の友人に戻ります」
「弟との関係はなくさないで……。お願い……。こんなふうになったなんて、さすがに言えない……」
「そんなの、俺もですよ」
そこでふたり揃って俯いた。
よく考えたら、真人を通じて知り合ったのに――という気持ちまで一緒になったようだった。
「俺の漫画をすべて読み終わったら、この関係もおしまい。弟の友人と、友人のお姉さんに戻りましょう」
終わる期間まで区切ってきた。
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