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年上のお姉さんが我が儘を聞いてやろうみたいな顔でドーンと構えてみたら、彼も肩の力が抜けたのか表情が和らいだ。
「俺が相手の間は、他の男とは関係を持って欲しくないです。二股はやっぱり嫌です」
「それなら、私だって――。そのほうが、安心……」
彼の異性観なのか、セフレでも複数は許せないようだったが、それは許されるなら真広もおなじだった。
身体的にもそのほうが安全、彼もそこを気にしているのだろう。なによりレスキュー隊員は身体が資本、それを大事にしないと仕事が務まらない。
「互いに、好きな異性ができたら、隠さずにはっきりと告げて潔く身を引く。これも約束しましょう」
きっぱりとしている駿からの提案だった。
それは真広も承知できる。
「当然よ。好きな子ができたら、ちゃんと言ってね。私はもう今夜、すごく満足できたから……。もちろん、これからも楽しみだけど」
楽しみって言っちゃたよ――と、真広は自分の大胆さに自分で驚いてしまう。
「だからこそ。そんなはずではなかったとならないようにしましょう」
契約成立――となった。
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