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「どこっすか、教えて欲しいです」
待ってね――と、デスクのPCを立ち上げて、そのウェブサイトまでアクセスを試みる。
「おおお、彼女好きそう」
「いくつか候補を出したのよ。そのうちの、ここに予約入れてプロポーズ大成功したみたい。その後、ご成婚ご準備もいろいろ売れたんだ。ブライダルはけっこう太い商談になるよ」
「なるほど~。これからブライダルの勉強も必要ってことっすね。うーん、俺自身が体験してみるのもいい勉強っと」
こら。仕事のためではなくて、自分と彼女のために結婚しろと言いたくなったが、それでも彼女が喜びそうなと相談してきたのだから、やっぱり素敵な恋人ではあるなあと、また後輩を微笑ましく見守る。
さて。切り替えて仕事開始。
それでもふとした瞬間に、あの一晩の熱愛が蘇ってくる。
あの後も、けっきょく、朝までもうひと頑張りしちゃったんだよなあ……と。
数年分のもやもやデトックスかよ――というぐらいに、くたくたになるまで真広も夢中になってしまっていた。
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