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「え、吾郎君。ほんとうに帰ってきたんだ」
「おう。凱旋ってやつ?」
同期生でもあった彼が自慢げに胸を張った。
「奥さんも一緒に来てくれたってこと?」
そう突っ込んだら、真広の後ろにいた西村が『あー、それダメっ』と小さな声で伝えてきた。
でも、吾郎は致し方なく笑っても、西村に『いいよ。本当のことだから』なんて返している。
「離婚しちゃってさ。んで、こっちに異動にしてもらったんだ」
「え!?」
元カレと遠距離恋愛で別れて、しばらくしてから結婚したのに。それも数年しか続かなかったということらしい。
「またこっちでうまいもん探して交渉してがんばるからさ。外商部に異動していたなんて、さすが真広。おすすめ商品情報も伝えるから、外商でも売り込んでくれよな」
「それはもう、こちらもよろしくお願いしたいくらいだよ。こっちもお客様の希望を叶えるピックアップ期待しているから」
同期生として研修期間から一緒の戦友でもあった。そこはもの凄く信頼している。
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