12.もしや……よりを戻したい!?

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「うまいもんばっかり食べてきたんで、太ったうえに、糖尿病予備軍になっちゃってさ」 「え、そうだったの!」 「気をつけろって食品バイヤーの先輩たちに言われていたのに、若いからって油断していたんだよな。でさ……」  そこで吾郎がビールを一気飲みした。そしておかわりを頼んでいる。  手元に持つものがなくなって、吾郎はテーブルに両肘をついて手を組んでそこに額を付け、目元を隠してしまった。  一気に思い詰めた空気を醸し出している。真広もグラスを置いて、なにも手にせず、そのまま彼が言い出すのを待ってみる。 「できなくなっちゃってさ、アレが」 「ん? アレ?」 「だから。夜の、」 「……夜の、」 「夫と妻のすること」 「え!!?」  ぎょっとして思わず一瞬だけ大きな声が漏れてしまったが、すぐに口元を押さえた。 「男として機能しなくなったってことだよ」  いわゆる『ED』というやつ!?  絶句しかできず、真広はただただ、目元を隠して俯いている吾郎を見ることしかできなかった。  それを聞いたら大概のことが予測できた。
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