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7月27日
北海道の夏は短い。
関東に比べたら、大分涼しいんでないかな。
だからと言ってエアコンとかないし、窓全開で壁にかかった扇風機だけが涼をとる方法。
今どきしんどいってば!
アッツイもんは、アッツイ。
窓から入り込む風で涼みながら、見下ろした先には校門を抜け帰っていく部活帰りの朝ちゃんの後ろ姿。
「バスケ部のマネージャーって、野々と同じだっけ? 中学校」
「朝ちゃん? そうだよ」
後ろから伸びあがり、覗き込んできたタスクがそんな朝ちゃんをじっと見ていた。
あれ? そっか、もしかして。
「タスクって朝ちゃんのこと」
言いかけた私の顔を見て、ん? と首傾げて、それから。
「あ~、めんこいよな、朝ちゃん」
そんな風に目を細めて笑うから、なんとなくわかってしまった。
「だよね、朝ちゃんはめんこいわ」
ちゃんと笑えてるかな?
今、この瞬間に失恋したことなんか決して気づかれちゃいけない。
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