たっくんの日記

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 僕は生まれつき心臓の病気がありました。  いい子にしているつもりでしたが、だめでした。神様は、僕に死ぬことを望んだみたいです。  小学2年生の夏、プールの授業を見学していた僕は、いつの間にか白い部屋にいました。ピコピコ機械が動いています。体にはストローみたいな細いホースがくっついています。僕はそれをよーく知っていました。心電図モニターと点滴です。つまり、ここは病院です。  前に入院した時と違って、広いお部屋にひとりきりでした。  お父さんとお母さんは、泣きながら僕をギュッと抱きしめるばかりで、言葉はありませんでした。それが意味するところを、僕は理解していました。僕は死ぬのです。
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