たっくんの日記

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 小学校の担任の先生がお見舞いに来ました。お花と果物と、折鶴をくれました。  クラスの子が、僕のために折鶴当番を作ったそうです。出席番号順に、1日1個、僕の病室に来て折鶴を置いていきます。  いろんな形、いろんな色。  みんなは「早く元気になってね」と、明るい声を僕にかけます。それが善意であると、僕は知っていました。だから僕は笑顔で「ありがとう」を言わなければなりませんでした。  死ぬのであれば、もう「いい子」にならなくてもいいような気もしますが、僕には「いい子」が染み付いていたようで、感情に素直になることが出来ないでいました。
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