1・触れられなくても

14/25
前へ
/747ページ
次へ
「久しぶりだね」 今日は友人のハナと食事をする約束をしていた。 数年ぶりに会う彼女は、艶々と日々充実しているという表情をしている。 「本当にね、ランチ会以来?」 「いや〜、息子が生まれてから夜出られる日が来るなんて、想像できなかったよ。ユウは元気にしてるの?」 くったくなく笑う彼女に、学生時代の面影をみた。 「うん、私も元気だよ」 心の内側に鍵をした。 「いや〜、ちょっと聞いてよ。この間さ」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加