1・触れられなくても

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「同期の子がさ辞めちゃってさ」 「へぇ、どうして?」 「職場不倫だよ」 ハナは顔をしかめたまま話を続けた。 「もうさ、同じ部署だったから大変なの。引き継ぎもできるのかできないのか」 ハナはため息をついてビールを飲んだ。 「そうか。忙しくなりそうだね」 「うん。いや〜、もう、だめ。不倫は絶対だめ!」 そう言い切るハナ。 心の内側の鍵に、さらなる堅強な鍵をかける私。 「ゆうはさ」 「うん」 「旦那が不倫したらどうする?」 頭の中が真っ白になった。
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