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ザザーン。ザザーン。
……眩しい。電気を消してくれ。もうちょっと……このまどろみの中にいたい。
そう思うのに瞼が真っ赤になるほど照りつける照明。
仕方なくいやいや目を開けた。
……お?
俺は砂浜にいた。
正しく言うなら、打ち上げられてた。
右も左にも広がる砂浜。眼前にはまあるい海。その瞬間、思い出した。
週末、待ちに待った海釣りへ行った。
三時間三万五千円もかかる船をレンタルして。そして嵐に遭った。ボートは木の葉のように流され転覆して……
「……よかったぁ……死ぬかと思っ……」
呟き、もっと大事なことに気づく。
「そだ……佐倉……」
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