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「夏草君も復活したことだし、土曜日が更に楽しみだね!」
「ん、土曜ってなんかあったけ?」
「なぁにとぼけてんの竹ちゃん、肝試しだよ。
き・も・だ・め・し」
「……??????」
何かの冗談だろうか。 だとしたらかなりタチが悪い冗談だ。 起訴。
まぁまぁ、落ち着こうまず落ち着こう。
もしかしたらオレの聞き間違いかもしれない。
「……オレ最近耳が遠くてな、もう一回言ってくれないかハグサ?」
「おじいちゃんかよお前」
「質問を質問で返すんじゃぁない
ハグサァ!」
「なんか怖いよ夏草君……」
分かれ、今オレには余裕が無いんだ。
「だぁかぁらぁ、土曜日に肝試し!
三人で! 理解?」
「……えぇ」
聞き間違えじゃなかったか……。 チッ。
なんてこったい、なんでオレがこんな事
しなけりゃならんのだ。
しかも病み上がりに。
病み上がりに。
というかそんな話一言も聞いてないぞ
オレは。 どういう事だ。
「二人共、オレはいつ肝試しに行くなんて言ったんだ?」
「何を言う。 昨日三人で
話したじゃないか。
お前が運ばれる少し前に」
「夏草君、『んぁぁ』って
返事してたもんね」
「えっ、じゃあそれが二人には『OK』
に聞こえたと?」
「もちろんさぁ! 俺は竹ちゃんならOKって言ってくれるって信じてたぜ!」
「三人で出かけるの久しぶりだね~」
お前ら一回耳鼻科行ってこいよ。
アレが『OK』に聞こえるのは流石にやべぇよやべぇよ。
「ハッハッハ、すまないがオレは行かんぞ。 二人共」
「題して≪ヒンヤリ計画≫だ! 中々良いだろ!」
無視すんなハグサこの野郎。
しかし、何としても肝試しに
行くなんて事は避けたい。
何故かって?
……こいつら(特にハグサ)にはからかわれる事が目に見えてるから
言ってないが、実はオレは心霊系が大の苦手なんだ。
それには深い、深~いという程深くはない事情がある。
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