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あれは忘れもしない、オレが幼稚園に通ってた頃……。
「怖くないよ~、大丈夫だよ~」
「ホント? ホントに怖くない?」
「こんなのヘッチャラさ。 竹、お前は夏草家の男だろ?
なら大丈夫だ。ガッハッハ!」
「……お父さんもついて来てくれる?」
「ん?……あぁ、もちろんさ」
と言われながら父に連れていかれたお化け屋敷。
入る直前になって父が逃走し、暗闇の中で
15分程度ピエロと恐怖の鬼ごっこをする羽目になり、
結果トラウマ級の思いをしたせいだ。
あれ以来オレは父を信用しなくなった。
……まぁ、信用も何もその父が今は居ないんだけど。
「で、土曜の8時に学校前に集合だ! いいな!」
「ん~、イヤ、土曜日はちょっと用事が……」
ホントは用事なんて無いけど、オレの身を守るためだ。
仕方ない嘘、コレは仕方ない嘘。(自己暗示)
「そうか、じゃあ用事すっぽかすことになるな。 お疲れ」
「どうしてそうなるんだよ」
結局その後、1時間の論争が続いた結果オレの嘘がバレて、
二人から何故か15分ほど説教を受けた後
問答無用で参加という事に。
オレが何か悪い事でもしただろうか……
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