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じーわっじーわっとセミの鳴き声。麦わら帽子が合って良かった。それでも、背中に汗が流れていく。ワンピース、お気に入りなのに。
ツキちゃんは私の言った言葉を反芻させてからにこ、と微笑んだ。
「ヨルちゃんとだったら、どこにでもいく」
後ろのお兄さんが怖いけど。そう小さく付け足して。
あたしは後ろをきっと睨み付ける。お兄さんはちょっと怯んだけれど、それでも歩みを止めることはなかった。
しつこっ。そう吐き捨ててもお兄さんにはノーダメージ。どうしてもあたしたちの後ろを付いて行きたいみたいだった。
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