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結局、昨晩は一睡も出来なかった。
ふと空腹を感じた朝8時過ぎに、声が聞こえた。
『おまえは後13時間後に死ぬ。』
(えっ!?)
時間を指定されたことで、迫り来る恐怖は増幅された。
つまり、僕は今夜の9時に死ぬということなのか。
体がガタガタと震え出した。
これからの13時間を、僕はどうすれば良いのだろう?
さっきまでの食欲は消え失せた。
とにかくなんとか落ち着こうと思って、僕は熱いシャワーを浴びた。
服を着替え、ベッドに腰かけ、柱の時計を見たらまだ1時間も経っていなかった。
まるで、真綿で首を締められてるみたいだ。
殺るならさっさとやってくれ!
僕は衝動的に外へ飛び出し、コンビニで酒を買い込んだ。
だけど、元々酒に弱い僕は、それほど飲めるはずもなく、具合が悪くなって嘔吐して苦しい想いをしただけだった。
そのうち、しばらく寝てしまい、気が付けば、窓から見える空は薄暗くなっていた。
時計を見れば、6時少し前だった。
そして、6時になった時、また声が聞こえた。
『おまえは後3時間後に死ぬ。』
俄に、鼓動が速くなった。
何をすれば良い?
たった3時間で何が出来る?
家族に連絡しようかと思ったが、でも、何を言う?
僕はあと3時間で死ぬと言うのか?
そんなこと、信じてもらえるはずもないし、心配をかけるだけだ。
それに、本当に死ぬかどうかもわからないのだ。
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