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まだ俺が残ってる
「ピンポーン」誰かが呼び鈴を鳴らした。俺は、死ぬ前に誰かと立ち話でもしようと考え、ドアを開けた。するとそこには...誰もいなかった。なんだ、こんなマンションにまでピンポンダッシュとは楽じゃないだろうに。そう思ってドアを閉めようとしたら、「うわああ!!ちょっと待った待った!!」
そこには俺の高校生のころの親友、ジョンがいた。「久しぶりだね。ジェフ」
そう言って笑いながら「ちょっと入らせてもらうよ。」とずかずかと入ってすぐに天井にぶら下がっていたロープと椅子においてある遺書が目に留まった。
その瞬間ジョンは、顔をしかめ、俺に向かって「つらかっただろうなぁ。ごめんなぁ、足がなくなってしまって。親友の俺のせいだぁーー!!」と泣き出した。こいつはもともと情に厚く時々理不尽に他人のミスを自分のせいにする。
「だけど自殺だけはダメだろ!!忘れたのかよ、高校生の時...」
こいつはいつもこうだ。優しくしてくれてるはずのジョンについキレる。
「関係ないだろ!!もともと、俺のことわかんないくせに知った風な口きくんじゃねーよ!!」 それを聞いたジョンは何言ってるかわからない、みたいな顔をしてそれから言葉を発した。「わからなくても助けるのが親友だろ。まだ俺がいるじゃないか!」その瞬間俺は高校のころを思い出した。
「なんで俺をかばってくれたんだよ!?」担任にこっぴどく叱られた後、俺はついジョンに聞いた。「二人で叱られるほうがよさそうだったからかな?それにお前がいるじゃないか!」
そう言って二人で帰っていったのを覚えている。
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