6人が本棚に入れています
本棚に追加
恋が始まる。
彼は小説家だと言った。
水族館に来ると小説のネタが色々と降ってくるらしく、何回も来ている内にくらげの虜になったんだと言う。
確かに...この美しい不思議な生き物は、人を一瞬で惹きつける。こんな風にふわふわと泳げたらきっと気持ちがいい。
彼とくだらない話をしながら、何回この水槽を眺めただろう?
色々と話す内に、私の中で彼の存在が大きくなっていくのに気付く。
くらげ達に会うより、彼に会うのが楽しみになっていた。
「水族館をテーマとした恋愛小説を書きたい。だから...
僕と恋愛をして欲しい。」
と彼が言い出した。
小説を書く為に言ったに違いないが、私は嬉しくて胸が高鳴った。
くらげ達が今日は一段と美しく見える。
「いいですよ。」
2人の恋愛が始まる…。
最初のコメントを投稿しよう!