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それが僕が生まれる20年以上前の話だ。
話によればその時代には大統領でさえも、事実か嘘かではなく、好きか嫌いかで情報を選択していたらしい。今では考えられない話だ。
ちなみに僕がこうした歴史を知ったのは、僕の周りで起きた一連の出来事が終わってからの話だ。
まぁその話は後々していくとして、いまは時代の振り返りにすこし付き合っていただきたい。
その悪名高い大統領が退任した後くらいから流れが変わり始めたらしい。
就任時代の嘘やごまかしが次々と明らかになっていったことに加えて、人々のあいだで嘘の情報を使った詐欺事件が激増したことがきっかけだった。
”情報を選ぶ自由”を主張していた人々も、これではさすがに駄目だと思い直したのだろう。
今度は正しい情報を受け取る権利が主張されるようになり、そこから「嘘やフィクションを徹底的に禁止する法律」が、世界各国で制定されていくことになった。
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