8月25日(金)

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仕事を終えた僕はそのままKの部屋に向かった。 途中コンビニに寄り、缶チューハイを6本ぶらさげながら部屋に到着する。 いつものように鍵のかかっていない玄関を開けて中に入る。 「きたぞー」と声をかけながら靴箱や紙袋で散らかった廊下を抜けていく。 部屋に入ると、Kは壁掛けの巨大なパソコンモニターの前で、イスから前のめりになって画面を凝視している。 「適当にやってて」とこちらを見もせずに言う。 僕はベッドの縁に腰掛け、机の上のゴミをまとめて片付け、机の下にあったポテチの封を開けて、1本目のチューハイを飲み始めた。 部屋の中は乱雑で、ベッドの枕元にはなぜか真っ青にデコレーションされた小型ドローンが置いてあったりする。 Kは身じろぎせずに画面を見つめている。 モニターに映っていたのは細かい模様のようなもので、テレビの砂嵐を一時停止したものにも見えた。 その模様を上下左右に動かしながら、なにかを読み取ろうとしているようだった。 僕が2本目の缶を開けると、ようやくKがこちらを振り向いて言った。 「どう?順調?」 なにがだ、と思いつつも「まぁそこそこ」と適当な返事を返す。 「空想表現のテロのこと知ってるだろ?」 「そりゃな、こっちはみんな苛立ってぴりぴりしてるよ」 「あのビラ手に入れた」 「は!?」 「これ」と言いKは、巨大なスキャナーから1枚の紙を取り出し僕の目の前に突き出した。 「ヤバいだろ、捕まるぞ」 そう言いながらも僕はその紙に描かれた”フィクション”から目が離せなかった。
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