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と
「と」
「ピロン♪」
彼氏からメールが来た。
恐る恐るスマホを手に取る。
「にげるなにげるなにげるなにげるなにげるな…」
なに?何なの…!?
あたしが何から逃げてるって言うのよ!!
「ちょっと浮気しただけで死んだバカのくせして...!」
この数日ずっと死んだ彼氏からメールが送られてくる。
いい加減にしてほしい。
「カラン」
「⁉」
キッチンから物音がする...
そこにいたのは
「と」
そう書かれた札のようなものを付けた黒いものだった。
ぼやけていて何なのかわからない姿をしている。
「ひいっ⁉」
もう、何が何だか分からない。
そいつはだんだんとあたしに近づいてきた。
「こ、こないで...」
足を動かそうともがき、走っていくと、ふとあのメールが頭をよぎった。
「に...げるなって...。」
ああ、このことだったんだね。
「せっかくヒントもらったのに」
自分の死を決意した瞬間だった…。
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