拝啓、彼方のあなたへ

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 今年の年賀状のケースを引っ張り出して浩司からの年賀状を探すと、お子さん3人の写真が載った可愛らしいデザインの年賀状を見つけた。  昴8歳、太陽5歳、美月2歳。  息子の5年生の翔太よりずっと小さい。  その時スマホの通知音が鳴った。幼なじみの郁子(いっく)からのメッセージだった。 【ひま、お誕生日おめでとう^ ^】  開くと「おめでとう」と年齢や健康に関する言葉の後、それは書かれていた。 【もう聞いてると思うけど、同級生の急死もあったし私達も気をつけないとね。】  ──やっぱり。  母から聞いた話が事実と確定しショックを感じた。  年々地元の友達と疎遠になっていることを反省しつつ、いっくに返信する文面を打つ。  もう自分の誕生日どころじゃない。 【郁、ありがとう♡  年々健康大事って実感するね!  同級生の急死、ついさっきお母さんから聞いて驚いたよ。郁は何か詳しく聞いてる?】  シフト勤務のいっくが仕事中か分からず、電話したいけどメッセージにした。
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