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美沙は遺書を残していなかった。
スマホを調べるのは気が咎めたが、何かヒントがあるかもしれないと思い直し痕跡を辿った。何も見つからなかったけど。
美沙のSNSのカバー画像にウエディングドレス姿の画像が使われていて、胸が痛んだ。
あの日、永遠を、生涯添い遂げることを、お互いに誓ったのに。
他にも交わした沢山の約束。まだまだ楽しい「これから」があった筈なのに。
──なんで逝ってしまったんだ。
答えがないと知りつつも、問いかけずにいられない。
俺の心が浮き沈みしようが時間は平等に過ぎていく。親の協力のお陰で、何とか子ども達を育てていっているけど。
正直まだ笑って過ごせそうにない。
──ふいに浮かぶ、美沙の笑顔に逢いたい。
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