第2章 日常1

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 なつめは、男の子達の後を追って、町の中をグングン進む。  なつめは、どこまで彼らの後を追うつもりでいるのか?  見慣れない町の景色に、しのぶは不安を感じた。  自分が今、何処にいるのかさっぱりわからない。  この町は、バスで、図書館へ行くためにしか来ないから、徒歩だと、しのぶには、土地鑑が全く無かった。 (足が痛いわ、疲れがピークよ! もう、無理かも)  しのぶは心の中で悲鳴を上げた。  男の子達は、小さな駅へと入って行く。  なつめも、その後へ続く。 (こんな所に駅が? 駅に入っちゃうの? なつめは何処までついていく気なのよ?)  ウンザリしながらも、もう、仕方ないと、しのぶも、駅の中に入る。  駅は、入り口から、急な階段になっていた。  ゼイゼイ言いながら、しのぶは階段を上る。  上まで辿り着いた、しのぶは、なつめを探す。  あまり広くない駅の中、なつめは直ぐに見つかった。  なつめは柱の陰に隠れて、改札口を睨んでいる。  なつめは、そのまま動かない。  男の子達は、どうやら改札を抜けて、中に入った様だった。  しのぶがいる位置からだと、男の子達の姿は確認出来ない。  彼らはどうなったのか?  電車を利用するのであれば駅のホームへと移動している筈だが、なつめが動かない所を見ると、彼らは、改札口付近にいるらしかった。
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