第2章 日常1

1/21
前へ
/32ページ
次へ

第2章 日常1

 Monday  全ては、憂鬱と不安と好奇心が生まれた、この日から始まった。  織矢しのぶは、親友、池上なつめのツインテールの揺れる頭の、数字の6の形をした、つむじを眺めながら、ため息を漏らした。 「ゴメン、しのぶ。今日はどうしてもダメなの! 急用を思い出したの! だから、本当にゴメンなさい!」  なつめは、これ以上、曲がらないほど腰を折って、しのぶに謝っている。  そんな、なつめの様子を、クラスメイト達が不思議そうに見ている。  しのぶは、クラスメイト達を嫌そうに見返すと、なつめのつむじに向かってため息を吐いた。  今日、二人は学校が終ってからショッピングへ行く予定だった。  学校の中間試験が終り、気が抜けた二人は、昨日、今日の放課後を一緒に過ごす約束をしていた。  けれど、今になって、なつめは、その約束を無かった事にしようとしている。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加