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しのぶは、海外文学のコーナーへ着くと早速お目当てを探した。
(あったわ! 四巻、それと、五巻を……)
しのぶは、ハッとした。
モンテクリスト伯、五巻は棚から消えている。
誰かが持ち出しているのだ。
しのぶは、検索機へ向かうと、慣れた手つきでキーを打ち込み、検索をかける。
そして、その検索結果に舌打ちをする。
貸し出し中だった。
(仕方無いわね。じゃあ、五巻は諦めますか。それと……)
しのぶは、検索を一度に済ませてしまおうと、少し考えて、気になっていた本のタイトルを打ち込む。
その検索結果も貸し出し中だった。
お目当ての本が二冊も貸し出し中でガッカリした、しのぶは、けれど棚、から他に適当な物でも探そうと、検索機のモニターから顔を上げた。
そして、しのぶは目を見開いた。
しのぶは、その視線の先にあるモノに、釘づけになる。
見間違いかと、よく見てみても、やっぱりソレは、しのぶの、よく見知っているモノにしか見えなかった。
(な……なつめ?)
なつめだ。
なつめがいた。
(なつめ……あの子、何で図書館に?)
しのぶは、静かに移動すると、本棚の影に身を潜め、なつめの様子を探った。
なつめは、ハードカバーの本を手にして広げ、テーブルに着いている。
(あの子、何を読んでいるのよ?)
しのぶは、目を細めて、本のタイトルを見ようとした。
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