第2章 日常1

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 しのぶは、海外文学のコーナーへ着くと早速お目当てを探した。 (あったわ! 四巻、それと、五巻を……)  しのぶは、ハッとした。  モンテクリスト伯、五巻は棚から消えている。  誰かが持ち出しているのだ。  しのぶは、検索機へ向かうと、慣れた手つきでキーを打ち込み、検索をかける。  そして、その検索結果に舌打ちをする。  貸し出し中だった。 (仕方無いわね。じゃあ、五巻は諦めますか。それと……)  しのぶは、検索を一度に済ませてしまおうと、少し考えて、気になっていた本のタイトルを打ち込む。  その検索結果も貸し出し中だった。  お目当ての本が二冊も貸し出し中でガッカリした、しのぶは、けれど棚、から他に適当な物でも探そうと、検索機のモニターから顔を上げた。  そして、しのぶは目を見開いた。  しのぶは、その視線の先にあるモノに、釘づけになる。  見間違いかと、よく見てみても、やっぱりソレは、しのぶの、よく見知っているモノにしか見えなかった。 (な……なつめ?)  なつめだ。  なつめがいた。 (なつめ……あの子、何で図書館に?)  しのぶは、静かに移動すると、本棚の影に身を潜め、なつめの様子を探った。  なつめは、ハードカバーの本を手にして広げ、テーブルに着いている。 (あの子、何を読んでいるのよ?)  しのぶは、目を細めて、本のタイトルを見ようとした。
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