5.暗い過去

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「……半馬の寿命は短いことが多くてね、だからもう、今は青馬一人だけなのよ」 「そうそう、俺生き残り!」  思いがけない暗い歴史に、溌剌とした青馬の声は光の耳をすり抜けていく。 「……でも……牧道のおじさんや、おじいさんは、今もこうして生きてます、よね……?」 「……それはたぶん」 「あーー! もういい、母ちゃん、重すぎるってその話! そんなこと言われたら日暮も反応に困るだろ!」  話を制する青馬に、静葉はハッとして光に頭を下げた。 「そ、そうよね。ごめんなさいね日暮くん。せっかく楽しくご飯をしようと思っていただけなのに」 「……いえ、俺は……」 「こんな話身内以外にできたことがないから、ついいらないことまで……さあさ、まだまだたくさんあるから食べてね」 「ばあちゃんこの味噌汁しょっぱくねえ!?」 「いつも通りだけどなあ」  青馬が気を使い話題を変えようとしていることが光にもわかった。いくらたくさん食べろと言われても、その後なかなか箸が進まなくなった光であった。
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