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智也と奈緒子はシングルベットに座り、互いに身を寄せ合っていた。刑事に告げられた五分の猶予は半分を切っていた。
「智也くんのおかけで復讐が果たせた。もう、何があっても恐くないよ」
「俺も覚悟は出来てる。でも、逃げ切れたら、もっと良かった」
眼差しを向けた智也に、奈緒子は儚げな笑みを返した。
「私もそう思ってる。気持ちは同じ。でももう、逃げられない」
奈緒子が言い終える頃には自然と涙が溢れていた。
智也は奈緒子の涙を指で拭き取ると肩に腕を回した。
奈緒子は智也の手を取って見つめながら言った。
「私を殺して」
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