7人が本棚に入れています
本棚に追加
高校時代に好きだった同級生の「咲」は、俺がいる東京からは遠く離れた故郷で大学に通っている。高校を卒業してからは、去年夏休みに帰省した時に一度会ったきりだ。
そんな関わりの薄い子のことをいつまでもうじうじと気にしてるなんて。
咲のことを吹っ切らないと、このままでは俺は一生女の子と付き合えない。
俺はそう悟って、想いを断ち切るために夏休みに帰省することにした。
咲は顔はとても整っていて美少女なのだが、理屈っぽく性格も私服も男っぽい。可愛いと言うよりカッコいいと言った方がしっくりくる。
異性というより親友という感じで、俺は咲と仲が良かった。きっと咲の方も同じく、俺を異性というよりも親友と思ってくれていただろう。
だけど俺は、彼女のことを間違いなく異性として好きだった。しかし告白どころか、そんな素振りも一切見せることはしなかったけど。
万が一フラれて、咲との『親友という関係』が壊れるのが怖かったからだ。
大学が夏休みに入って故郷に帰った俺は、咲の家の前に立っていた。
突然の来訪だが、家にいればきっと咲は歓迎してくれるだろうという思いはある。
最初のコメントを投稿しよう!