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もちろん、高校時代の親友として。
恐る恐るインターホンを押すと、幸い咲は在宅していた。
突然の俺の来訪にとても驚いた咲だったけど、予想通り彼女は笑顔で大歓迎してくれた。
「どうしたの、拓!? 久しぶりだなぁ! まあ上がりなよ!」
男っぽい口調。
栗色のショートヘアに、Tシャツ、パンツスタイルのファッション。
相変わらず男っぽい感じだが、その笑顔はやはり相変わらずとても美人だ。
すっと尖ったあごに、通った鼻筋。
長いまつげで、綺麗な二重のきりっとした目つき。
久しぶりに咲の顔を見て高鳴る胸の鼓動を抑えながら、俺は咲の後ろについて2階の彼女の部屋に上がった。
咲の部屋には高校時代に、何度か訪れたことがある。
しかし密室に高校生の男女が二人きりでいたにも関わらず、俺たちは『男女の関係』になることはなかった。
──そんな雰囲気になることすら、なかったのだ。
俺と咲は再会を喜び合い、そしてしばし思い出を語り合った。
高校時代のバカ話。失敗談。
そんな話が次から次へと湧き出して、話題に事欠くことはない。
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