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「おいお前、食べ物を粗末にしたな。こっち来い」
俺は氷のような目つきで怪人を睨み
「そこに座れよ」
と怪人を正座させた。
「はい、すいません」
怪人はシュンとしょげて正座した。
俺は説教を始めた。決して楽しみにしていたカップうどんを台無しにされたからではないぞ、食べ物を粗末にしたからだ。
同じ内容を別の角度から別の表現で何度も何度も繰り返しネチネチネチネチと説教した。
なんせカップうどんの時間を気にしなくて良いからな、30分ほど怪人に精神的な攻撃を加えてやった。
説教が終わると長時間の正座で足が痺れたのか、怪人はよろよろと立ち上がりかけた。が…
ガクッ
と膝をついて崩れ落ちた。
「ヤバいっ」
俺は一瞬身構えた。やられたら爆発するタイプだったら巻き込まれてしまうからだ。
しかし怪人は爆発しなかった。新型怪人はやられた後どうなるのかまだまだ未知数だから怖い。
「ふう、助かった…」
いつもならこのタイミングで軽トラに乗った黒タイツの人型が怪人を回収に来るんだが…。俺は公道に出て辺りを見渡した。来ないぞ。渋滞しているわけでもないのにおかしい。
これはまさか…しまった!
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