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ブオーンと非力なエンジンをブン回す音が聞こえた。遅いぞ!黒タイツ。
遠くから軽トラが猛スピードで近づいてきてギギギとブレーキ音を立てて側溝の近くで止まった。ブレーキパッドが減ってるぞ、整備不良車か。
中から全身黒タイツ姿の人型が2人、清掃用具を持って現れた。
手際良く液状化した怪人の残りを回収し、側溝の蓋を開け下水管の中まで潜って行き清掃作業をやり始めた。
「感心感心、キミも見習いたまえ」
黒タイツのおかげで下水に流れたのは液状化した怪人だとわかってもらえたようで、俺は解放されパトカーから降りた。
黒タイツは、ついでに散らかったカップうどんも掃除して、倒れたテーブルを起こして拭いてくれた。怪人がやったこととは言え、黒タイツにやってもらうのは申し訳ない。
お礼を言うといいよいいよ気にするなと頷いた。
元の状態よりも綺麗になった側溝を見て黒タイツは満足げにうんうんと頷いて帰って行った。
やれやれ、ひどい1日だった。橘のおやっさんのスナックでカップうどんを作り直そう。
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