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「さあて。『三神聡(みかみさとし)君の何でも耐久レース』の始まり始まりー。ギャラリーは、君が酷い目に遭わせてきた連中を集めておいたから、楽しんで貰えると思うよ。耐久レースに見事勝ち抜いて、生きていたら約束どおり百万円のギャラは払ってあげる」
「ご・・・・ぐおういう・・・・ううひう・・・・」
ごめんなさい、赦して、と懇願したが言葉にならない。
「君が更生したってさ、僕たちみたいに酷い目に遭わされた人間の復讐心が消える訳じゃないんだ。ましてや怪我や心の傷が癒える訳でもない。性格も一向に変わっていないし、更生しようとしたってムダだって事、その身を持って味わえよ。ほら、沢山書き込み来てるよー」
嬉しそうにスマートフォンを向けられた。
首を振って嫌がる俺の顔を押さえつけ、無理矢理内容を見せつけられた。おびただしい数の書き込みの中には、目を疑うような恐ろしい所業のものが並んでいた。
これ、全部実行したら、確実に死ぬだろ。ていうか、最初の時点で・・・・もう無理・・・・。
「予想以上に君は人気者みたいだから、書き込みのリクエスト受付時間、あと五分だけ待とうか。書き込みいっぱいで嬉しいね、三神」
唐松の笑顔に、思わず涙が溢れた。
ああ・・・・。どうやら俺の身体が五体満足でいられるのは、あと五分しかないようだ・・・・。
-完-
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