魔女と兄妹

6/15
前へ
/15ページ
次へ
「うわぁ、ごちそうだ!」  恐る恐る家の中に入ったヘンゼルでしたが、テーブルの上に並べられていたご馳走を見てグレーテルが駆け寄りました。 「駄目だよ!」  ヘンゼルはたしなめましたが、見た事も無いようなご馳走を前にグレーテルが言いました。 「ここはきっと小人さんのお家だよ」  それは、寝るときにお母さんが話してくれたおとぎ話でした、森で迷ったお姫様の前に小人の家が現れるのです。 「じゃあ全部のお皿からちょっとづつ食べないとね」  ヘンゼルも、お腹がペコペコだったのです。  最初のうちは、全部のお皿からちょっとづつ食べていましたが、もうちょっと、あとひと口だけ、とうとう全部のお皿を平らげてしまいました。  お腹いっぱいになった兄妹は、眠くなってきて、そのまま崩れるように眠ってしまいました。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加