魔女と兄妹

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「うわぁ、ごちそうだ!」  恐る恐る家の中に入ったヘンゼルでしたが、テーブルの上に並べられていたご馳走を見てグレーテルが駆け寄りました。 「駄目だよ!」  ヘンゼルはたしなめましたが、見た事も無いようなご馳走を前にグレーテルが言いました。 「ここはきっと小人さんのお家だよ」  それは、寝るときにお母さんが話してくれたおとぎ話でした、森で迷ったお姫様の前に小人の家が現れるのです。 「じゃあ全部のお皿からちょっとづつ食べないとね」  ヘンゼルも、お腹がペコペコだったのです。  最初のうちは、全部のお皿からちょっとづつ食べていましたが、もうちょっと、あとひと口だけ、とうとう全部のお皿を平らげてしまいました。  お腹いっぱいになった兄妹は、眠くなってきて、そのまま崩れるように眠ってしまいました。
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