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「なぜこの機械が作動を始めたのだろう」
頭の中で研究所に入ってからの事をリプレイした。機械の作動の合図はピーーーーッという電子音だ。その前に何をした?
「そうだ」
電灯のスイッチを入れた時に電子音が鳴った。ということは光に反応したのだ、部屋に入ったときはまっ暗闇だった。そう考えたテディは扉の横にあるスイッチをオフにすると室内は再び真っ暗になった、かに思えた。
「……ダメか」
真っ暗な部屋に緑のランプは点滅を続けている。テディは再び電灯のスイッチをオンにした。
タイマーの表示は
4:00
変わらずに減り続けている。テディはもう一度ボタンに指を伸ばすと、物体が熱を放っているのを感じた。
「これは中で燃えているのか?」
そんな予想が頭をよぎった。
点滅している緑、消えている赤。どちらかのボタンを押せばこのタイマーは止まるだろうか?
「どっちを押せば、いいんだ?」
黒スイカには何も書かれていない。どちらが停止のボタンなのか、それとも両方そうでないのかなんて焦る頭では見当がつくはずがない、もし押してしまったがために黒スイカが即座に爆発したらどうしよう、そう考えるとまたもやボタンを押す勇気は出てこなかった――。
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