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テディは一度応接室を出て、入口と研究所へと続く二つの扉を見た。入口のドアは自動扉でノブすらなく、パスを持っていないテディにはどうしようもない。反対側にある研究所への扉を押しても叩いても扉は分厚くてびくともしない。
「誰か、誰か応答してくれませんか」
扉の横にある受話器に呼べど叫べど全く反応がない。
「参ったなあ」
テディはにじんだ汗を握りしめながら項垂れて応接室に戻ってきた。脱出もできなければ、今眼前にある危険を誰かに知らせることすらできない――。
タイマーが
3:00
を示すと同時に黒スイカは
ピピピッ
と言う音をテディに話し掛けるような音量で自らの存在を知らせた――。
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