気になること、が

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気になること、が

 実咲たちがパトロールから戻ると、東海林と西垣は西垣のパソコン画面をのぞき込んでいた。 「戻りました」  無線機を決められた場所に置くと、実咲たちも東海林たちが見ているパソコンに近寄った。そこには生徒たちがよく使っているつぶやき機能がついているSNS――通称ムッターが画面に表示されていた。 「ムッターがどうかしましたか?」 「おかえり、南雲さん。それがここ数日で学校を爆破してやるとか、誰々先生を殺してやるとかの書き込みが急に増えてきていてね」  西垣に場所を譲ってもらい画面を見ると、確かに学校に対する恨みとか怒りの書き込みが増えている。ほとんどが『学校きつい』『学校嫌だ』といった短めのつぶやきだが、中には具体的な日付と時間、何をするかまで書き込まれていた。 「テストが近くなると増えるのは増えるけど、ここまで具体的な内容がどんどん書き込まれているのは珍しい」 「偽計業務妨害になるの、知っているんですかね」  ため息をつきながら、北柴はコーヒーを入れている。 「知っていてもいなくても、彼ら彼女らは何かを吐き出したいんだろうな」  東海林は少し悲しげな顔で画面を見ている。 「とりあえず、次の班への申し送りにも書いておきます。あと、この学校に関することも書かれているかもしれないので、それも調べてもらうように依頼をしておきます」  実咲たちの就業時間まで残り三十分を切っていた。西垣は手早く申し送り所のフォーマットを開き、確認できていることと、依頼内容をまとめ始めた。実咲と北柴はパトロール記録を記載し、東海林は今日の相談内容をデータベースに漏れなく記載されているかを確認した。  夜勤当番の班に引き継ぎを終えると、各々自宅に帰っていった。
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