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応援、呼びますか?
翌朝目覚ましのアラームで起こしてもらい、掃除や洗濯をした後、実咲は出勤の準備をして、志心中学に向かった。
夜勤の日は、事務所に十五時三十分までに着くようにし、申し送りや相談事などの進捗状況を確認する。前の班から引き継いだデータベースの更新状況を確認しても、笹崎由香里に関する情報はどこにも上がっていなかった。実咲は少し残念そうに見てから、パソコン画面を閉じる。
「おはよう」
東海林と西垣が一緒に事務所に入ってくる。
「おはようございます、班長、西垣さん」
「さっきちらりと笹崎由香里の下駄箱を見てきたが、上履きしかなかったな」
東海林は実咲が気にしていたところを同じように気にしているようだ。実咲も出勤前に笹崎の下駄箱を確認していた。実咲が確認した時も上履きしかなかった。
「今日は欠席だったみたいです」
仕事用のスマートフォンで全生徒の出欠状況を確認すると、笹崎は一日休みだったらしい。
「そうか。学校に来ていれば何か話を聞けるんだが」
「班長、SNSパトですが、日勤の班からの連絡で奇妙なことがあったようです」
西垣がSNSパトロール担当者同士の申し送りをした後に、東海林に結果を奉告していた。昨日から目立ち始めた例の書き込みは未だに増え続けているようだ。志心中学だけに絞ってみても同じことが起きているらしい。
「班長、どうしますか?」
西垣の報告を聞いた東海林は腕を組み、目を瞑って考える。北柴も準備を終えて、実咲と一緒に二人の様子を見ている。
「調べよう」
東海林は班のメンバー全員の顔を見て言った。
「空振りであれば、それに越したことはない。だが、もし本当であれば止めてやらないといけない」
「休みの班、応援に呼びますか?」
西垣の提案に東海林が頷く。すぐに応援を呼ぶために、西垣は次の日勤の班の班長に連絡をし始めた。
「夜のパトロールを応援の班に依頼をする。俺たちはこの書き込みの捜査を集中してやる」
東海林の指示を受けて、実咲たちは全員SNS上の書き込みを洗い始めることにした。洗い始めたそばから、ウヨウヨと書き込まれていく。実咲たちはパソコン画面とにらめっこをしながら、担当する志心中学が関係しそうな書き込みをまとめ始める。
十六時から始めた洗い出しも、四時間が経とうとしていた。西垣が中心となり、書き込みを洗い出し続けるが、実咲と北柴、東海林は一度まとめた結果を打ち合わせすることになった。
「件数にして千件を超えている。異常だな」
東海林が結果を睨みながら言う。
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